鎮魂の塔
さっきのおばさんと違って、生活がかかっているのかな、などと思いながら回りを見わたせば、みやげ物屋やらレストラソやらがひしめいています。
"ひめゆり園""パーラーひめゆり""レストラソひめゆり会館"等々。
そして"歓迎、観光団"といった垂れ幕も下っています。
入口正面にある、ひめゆりの塔。
一九四六年、敗戦の翌年建立された鎮魂の質素であるがゆえに、なおさらその思いを深くさせずにはおかない"本物"は端へ追いやられ、観光客の足げにさえされているのです。
いつ建てたのかは知りませんが、私にはぎょうぎょうしくけばけばしく見える塔が、今やスターになっていました。
"本物"を足げにした沖縄旅行の観光客は、ひめゆり部隊が自決したという岩穴をのぞきこんで、やたらと写真を撮っているのです。
本来の塔と並んで、
いわまくらかたくもあらんやすらかに
ねむれとそいのるまなびの友は
との碑がひっそりとありました。